不良狼の一途な溺愛

お兄さんに教えてもらった通りに道を辿ると、すぐに大通りにぶつかった。


あっ、あれだ…!


道路を挟んで、ほぼ向かい側に建っているコンビニが目に映る。


私は、急いで近くにあった横断歩道を渡った。


コンビニに入ると、早速…キョロキョロと見回しながら蓮君を探す。


赤メッシュの入った金髪で、スラッとした長身。


この中に居るなら、かなり目立つはず…。


そう思いながら、隈無く店内を歩いたけれど、嫌な予感は的中…。


蓮君の姿は、どこにも見当たらなかった。


「はぁ……。」


ため息が自然と零れる。


私は、ガックリと肩を落としながら店内を出た。


蓮君、一体…どこに行っちゃったの…?


ま、まさか…事故とかに巻き込まれたりしてないよね!?


ドクン…と心臓が嫌な音をたてる。


本当にそうだったら、どうしよう…。


勝手に想像を膨らませて、アタフタしていた時だった。





「さっき…すれ違ったヤツ、絶対に紫堂だよな?」


「ああ、間違いない。俺…めちゃくちゃビビった。」


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