不良狼の一途な溺愛
おそるおそる振り向くと、そこに立っていたのは見知らぬ茶髪の男の子。
ニヤニヤしながら私を見ていた。
「へ〜珍しいなぁ。こんなところに女が来るなんて。もしや、龍矢さんの新しい彼女?」
「ち、違います…!!」
私はキッパリと否定の言葉を発した。
この人、黒賀っていう不良の仲間だな…きっと。
全く、勘違いもいいところだ…。
男の子に対して、冷ややかな視線を投げつけた。
「それより、こっ…この手を離して下さい…!」
「それは出来ないな〜。せっかく可愛い子と遊べるんだし。」
「やっ…!」
振りほどこうとしたけれど、腕をますます強く掴まれる。
男の子はニヤリと口角を吊り上げて笑うと、私を連れて倉庫の中へと入った。