不良狼の一途な溺愛
「龍矢さん!外で突っ立ってた女が居たので、連れてきま……えっ!?」
言葉の途中で、男の子が驚きの声をあげる。
目の前に広がる光景に、私はビクッと体が震えた。
金髪や茶髪の男の子たちが何人もいて、倉庫の壁ぎわや隅でたむろしている。
ざっと見た感じ、10人ぐらいはいるだろうか。
そして、倉庫の真ん中では、二人の男の子が少し距離を置いて対峙している。
一人は、見たことない男の子だけど、もう一人は…
胸がドクンッと大きな音をたてて鳴り響く。
金髪に鮮やかに入れられている赤メッシュ。
スラリと伸びた背。
私が、とてもよく知ってる男の子。
早く会いたいと思っていた人だ…。
私は、咄嗟に彼の名前を大きな声で口にした。
「蓮君っ!!」