不良狼の一途な溺愛
「俺よりも強い、紫堂の存在が…すげぇムカつくんだよね…。」
「は、はい…?」
「アイツを見るだけで無性に腹がたつ。ぶっ潰してやりたいと思う。」
黒賀君は、紫堂君をキッと睨んだ。
「今日、街をぶらついてたら、コンビニの前で紫堂と鉢合わせた。でも俺を無視して中に入ろうとしたから、アンタの名前を出したってわけ。」
「私…?」
「そう。紫堂が御苅 柚っていう女に惚れてることは、俺ら不良の間でかなり知れ渡ってたからな。名前を言っただけなのに、紫堂の目の色が変わったよ。」
黒賀君はククッと喉を鳴らして笑った。
「明らかに怒りの表情だった。“お前の女のことで話がある”って言ったら、ここまでついて来てくれたんだよね。単純っていうか、相当…アンタに入れ込んでるんだな。」
ひどい…。
私の名前を出して、蓮君を倉庫まで連れて来るなんて…。
なんなのよ、この人。
黒賀君の言葉に沸々と怒りが湧いてきて、唇をキュッと噛み締めた。