不良狼の一途な溺愛
「…紫堂、てめぇっ!!」
黒賀君は頬に手をあてながら、ムクッと体を起こす。
怒り心頭…といった表情だ。
す、すごく怖い…。
ビクビクしていると、蓮君は口を開いた。
「何が“惚れた弱み”だ。勝手なこと言ってんじゃねぇ。俺は…柚を守るためなら、どこまでも強くなれるんだよ。」
その言葉を聞いた瞬間、ドキッと勢いよく心臓が跳ね上がる。
恐怖感でいっぱいだった心に、温かい気持ちが広がっていくのを感じた。
「ふざけたこと言ってるんじゃねぇよ。そんなのハッタリに決まってる。」
「ハッタリなんかじゃねぇ。俺にとって柚は、それだけ大切で…愛しい存在だ。」
ストレートな言葉に胸が締め付けられるほど、キュンとしてしまう。
嬉しくて、今にも涙が出そうだ。