不良狼の一途な溺愛

「で、でも…お兄さん一人をここに残して帰るのは危険な気が……」


「大丈夫だよ。俺、そんなにヤワじゃないから。」


蓮君のお兄さんは私たちの傍にスタスタとやってきて、ニッコリと笑った。


「兄貴のことなら心配はいらねぇよ。学生時代は俺以上に荒れていて、強かったらしいから。」


「えぇっ!?」


もしかして、お兄さんも不良だったの!?


外見や、先ほど会話をした時の雰囲気からは、全く想像できない…。


衝撃の事実に驚いてしまった。


「まあ、そういうことだから…柚ちゃんは蓮と一緒に家に戻って?」


「柚、ほら…行くぞ。」


「うん……。」


お兄さんに会釈した私は、蓮君に連れられて倉庫を出た。



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