不良狼の一途な溺愛
「麦茶だけど、いい?」
「うん。」
蓮君は私の隣に腰を下ろすと、麦茶の入っているガラスのコップを差し出す。
「ありがとう…。いただきます。」
お礼を言ってコップを受け取った私は、早速…麦茶を一口飲んだ。
「涙、おさまったみたいだな。」
「うん…。もう落ち着いたから大丈夫。」
「そっか…。」
蓮君は柔らかに微笑んで、麦茶を飲み干す。
コップを持つ手を見た瞬間、私の口から“あっ!”という声が飛び出してしまった。
「ど、どうしたんだよ…。」
ビックリした表情を浮かべる蓮君。
私は、彼の手の甲を指差した。
「そこ、ケガしてる…。」