不良狼の一途な溺愛
「私、教室に戻りますね…。」
ソワソワしながら、紫堂君の横を通り過ぎようとした瞬間…
「あっ、ちょっと待て。」
その言葉と共に、ガシッと腕を掴まれた。
えっ、何!?
予期せぬ事態に、私はただただ驚くばかり。
戸惑いながら紫堂君を見ると、視線が重なった。
「今日の放課後、柚に話がある。」
「へ…?」
「ここで待ってるから来いよ。」
「えっ、紫堂君っ!?」
咄嗟に呼び止めたものの、紫堂君は足早に校舎の中へと消えていってしまった。
ここにマンガ読みに来たわけじゃなかったの…??
っていうか、私に話って何なんだろう……。