不良狼の一途な溺愛
「別に美咲さんが居なくたって、1人で食べればいいじゃねぇか。」
「1人よりも3人で食べた方が楽しいだろ?俺…柚ちゃんの手作り料理、食べてみたいし。」
「何言ってんだよ…!柚の手料理は全部俺が食べる。兄貴には絶対にやらねぇから。」
お兄さんを鋭い目で睨む蓮君。
かなりイライラしているのが見ていて分かるけれど、お兄さんは至って穏やかな笑顔だ。
「それじゃあ、俺は…宅配ピザでも頼もうかな。柚ちゃんもそれでOK?」
「あっ、はい…。」
パッと飛んできた質問に、反射的に答えると、お兄さんは携帯電話を取り出して、あっさりとピザを注文してしまった。
「兄貴、てめぇ……」
怒りのオーラ全開の蓮君に取り合うことなく、お兄さんは私に微笑んだ。
「ピザがくるまで時間があるし、柚ちゃんとお喋りしようかな。」
「そんなのダメに決まってんだろっ!」
「少し話をするぐらい、別にいいじゃん。」
「……よくねぇ!!」
キッパリと言葉を発した蓮君は、再び私の隣に腰を下ろすと、肩を抱き寄せた。