不良狼の一途な溺愛
「蓮君っ!?」
いきなり、どうしたの?
アタフタしていると、蓮君のお兄さんはフッと吹き出すように笑った。
「お前、柚ちゃんのことが本当に大好きなんだな。」
「当然だろ。それだけ俺は…柚に心奪われてるんだよ。」
ドキッとするようなことをサラリと言ってしまった蓮君に、心臓が暴れだす。
こんなに慌ただしく動いて大丈夫だろうか…と心配になってしまうほどだ。
「柚ちゃん…。」
「は、はい…。」
突然、お兄さんに名前を呼ばれて返事をすると、私の方に柔らかな眼差しが向けられた。
「嫉妬の激しいヤツだけど、柚ちゃんへの愛は…純粋で一途だから、これからも蓮を宜しくね。」
「はい…。」
思いっきり深く頷く。
チラッと蓮君を見ると、お兄さんの言葉に対して、何やら照れくさそうな表情を浮かべていた。