不良狼の一途な溺愛
「兄貴のヤツ、何を言い出すかと思えば……」
ポツリと呟く蓮君の頬は、心なしか赤くなっている。
どうやら、ものすごく照れてるみたいだ。
なんだか可愛いかも…。
思わず、笑みが零れた。
「し、仕方ねぇな。今日は兄貴もここで夕飯食べるの許してやる。い、言っておくけど今日だけ特別だからな。」
「許すも何も、俺は既に一緒に食べるつもりだったけどさ。まあいいや。蓮の言葉に甘えるよ。」
「………。」
お兄さんの方が一枚上手…っていう感じだな…。
さすがお兄さん…。
蓮君は返す言葉がなくなってしまったらしく、黙って私をギュッと抱き締めた。
その後、暫く経ってピザが届き、私たちは少し早めの夕食をとることに。
終始“美味しい”と笑顔でお弁当を食べてくれた蓮君に心を躍らせながら、私は和やかな時間を過ごしたのだった。