不良狼の一途な溺愛

そう言えば、授業が終わって放課後になったから、いつもの屋上に来てたんだっけ…。


ペタンと座った途端、後ろから蓮君に抱きしめられて……


その状態のまま、あれこれ考えるあまり、ボーッとしちゃってたんだ……。


いけない、いけない。


せっかく蓮君が一緒なんだから、あれこれ頭の中で回想していたら勿体ないよね…。


心の中でウンウンと頷いたつもりだったけど、つい行動に出てしまったようで……


「今度は急に頷いたりして、どうしたんだよ?」


蓮君に不思議そうな目で見られてしまった。


「な、何でもないの…!気にしないで!」


「そう言われると、気になる。どんなこと考えてたのか教えろ。」


「えぇっ!?」


まさか、深く掘り下げてくるとは思わなかったので、ビックリだ。


「ほっ、本当に何でもないから…。」


「何でもないわけねぇだろ。ちゃんと言え。」


耳元に吐息がかかるほど唇を近付けられた状態で促されてしまい、もはや拒否なんて出来るわけがない。



正直に話すことにした。



< 356 / 364 >

この作品をシェア

pagetop