不良狼の一途な溺愛
そう言えば、授業が終わって放課後になったから、いつもの屋上に来てたんだっけ…。
ペタンと座った途端、後ろから蓮君に抱きしめられて……
その状態のまま、あれこれ考えるあまり、ボーッとしちゃってたんだ……。
いけない、いけない。
せっかく蓮君が一緒なんだから、あれこれ頭の中で回想していたら勿体ないよね…。
心の中でウンウンと頷いたつもりだったけど、つい行動に出てしまったようで……
「今度は急に頷いたりして、どうしたんだよ?」
蓮君に不思議そうな目で見られてしまった。
「な、何でもないの…!気にしないで!」
「そう言われると、気になる。どんなこと考えてたのか教えろ。」
「えぇっ!?」
まさか、深く掘り下げてくるとは思わなかったので、ビックリだ。
「ほっ、本当に何でもないから…。」
「何でもないわけねぇだろ。ちゃんと言え。」
耳元に吐息がかかるほど唇を近付けられた状態で促されてしまい、もはや拒否なんて出来るわけがない。
正直に話すことにした。