不良狼の一途な溺愛
厄介な命令
うーん…。
紫堂君には学生証を拾ってもらったお礼を言っただけだよね…。
何か粗相があった…とも思えない…。
じゃあ、私に話って何なの!?
午後の授業中、そんなことばかり考えていた。
でも結局、答えは全く分からないまま。
気付けば、放課後を迎えていた。
や、やだなぁ…。
行きたくないよ…。
話の内容が見えないだけに、憂鬱な気持ちが心を占める。
無視して帰ろうかな…。
いやいや、そんなことしたら…後でどんな目に遭うか分からないよね…。
相手が相手だけに、素直に行くのが一番だ…。
不安な気持ちでカバンを持つと、教室を出てトボトボと中庭へと向かった。