不良狼の一途な溺愛
そんな不安を抱いているうちに、とうとう学校に到着。
桜舞う校門をくぐり抜け、次々と登校して来る生徒たちの群れに紛れて、校舎の中へと入った。
中学の時よりも広いし、建物が綺麗だなぁ…。
規模の大きさに驚きながら廊下を歩いていると、不意に後ろからポンッと背中を叩かれた。
「柚〜!おはよ!」
「あっ、彩織(サオリ)!おはよ〜。」
誰なのかと不思議に思って振り向いてみれば、そこに立っていたのは親友の彩織。
明るい笑顔を見た途端、私の顔も自然に綻んでしまった。
「風邪、大丈夫?柚が一週間も学校を休むことって、今までなかったから、心配してたんだよ。」
「ありがとう…。熱も下がったし、もう大丈夫。」
「病み上がりなんだし、あまり無理しないでね。」
「うん。」
彩織の優しさにジーンとしながら、私はコクンと頷いた。