不良狼の一途な溺愛
扉を抜けると、そこには屋上が広がっていた。
夕焼けが空も景色も淡いオレンジ色に染め上げていて、とても綺麗だ。
「どこに行くのかと思ってました。屋上…だったんですね…。」
「ここが一番、落ち着ける場所なんだよ。今日はアイツらも居ねぇから尚更だ。」
「あ、アイツら…?」
「いや、何でもねぇ。」
紫堂君は言葉を濁した。
ここに来る人、他にも居るのか…。
きっと、不良仲間なんだろうな…。
ということは、この屋上…いわゆる溜まり場なんじゃない…!?
私、とんでもないところに足を踏み入れちゃったよ…。