不良狼の一途な溺愛
【LOVE*2】
広がる波紋
「おっはよ〜、柚!」
「おはよう…。」
「どうしたのよ、浮かない顔して…。まだ風邪気味とか?」
「そんなことないよ…。」
翌日、朝から沙織に心配されてしまった私は、笑顔で誤魔化した。
風邪はスッカリ治って、体の調子は良いのに、心がズーンと重たい。
憂鬱の塊だ。
こうなってるのも、全部…紫堂君の命令のせい。
だって、放課後は…毎日のように紫堂君のところに行かなきゃいけないんだもん…。
卒業まで、ずっとこんな日々が続くっていうの…?
ありえない…。
はぁぁ…と盛大なため息を零すと、沙織は制服のポケットから折り畳まれたチラシを取り出した。