不良狼の一途な溺愛
「柚と同じクラスになれて良かったよ…。入学式の日、嬉しくて思わずメールしちゃった…。」
「私も嬉しかったよ。」
ポケットから携帯電話を取り出して、メールの画面を開いた。
入学式の日。
クラス分けの掲示板を見れない私の変わりに、彩織がメールで報告してくれたのだ。
見事に同じクラスになった私たち。
メールを見た瞬間、熱に冒されながら布団の中ではしゃいだのを、ふと思い出して笑みが零れた。
「クラスの雰囲気、どう?」
「うーん…。まだ始まって一週間だから何とも言えないけど、和やかな感じだと思うよ。」
「そ、そっかぁ…。」
「柚もすぐに馴染めるよ、絶対。」
ニコニコと笑顔で言ってくれる彩織に、緊張の糸が緩んでいくのを感じた。
よ、良かった…。
自然にクラスの中に溶け込んでいけそうな気がして、私はホッと胸を撫で下ろした。