不良狼の一途な溺愛
「ほら、ここだよ。私たちのクラス!」
彩織に案内されながら、教室の前までやって来た私。
後ろの入り口から、こっそり中に入ろうとした時だった。
「おっ、もしかして御苅じゃないか!?」
いきなり呼び止められて、ビクッと肩が上がる。
声の聞こえてきた方に視線を向けると、その先には先生らしき男の人が立っていた。
「柚、あの人が担任の風間(カザマ)先生だよ。すごくハツラツとした元気ある先生なの。」
「へぇ…。」
確かに、そんな雰囲気醸し出してる…。
ヒソヒソと耳打ちする彩織の言葉に納得していると、先生は私のところまでやってきた。
「風邪、治ったみたいで良かったなぁ!元気が何よりだもんな!」
「は、はい……。」
なんか、朝からテンション高いな…この先生。
少し笑顔を引きつらせると、先生は何かを思いついたような表情を浮かべた。
「そうだ!これからホームルームだし、御苅のこと…みんなに紹介しないとな。」
「………。」
えぇっ!?