不良狼の一途な溺愛
よ、良かった…。
まさに天の助け…!
内心、ホッとしてしまう。
早崎さんは、私を睨んだ状態でチッと舌打ちをした後、一緒に来ていた派手な女の子たちを引きつれて教室を出て行ってしまった。
それに続いて、紫堂君を見に来ていた他の女の子たちも、それぞれのクラスへと戻って行く。
急に人数が減った教室には、朝らしからぬ重苦しい空気が漂っているような気がした。
はぁ…。
寿命が縮まるような気分だったよ…。
早崎さん、紫堂君に接していた時は満面の笑みだったのに、すごい豹変っぷり…。
あれだけ睨まれると、後が怖い……。
このまま何事もなく過ぎて行ってくれますように…。
切に願っていると、担任の風間先生が“おはよ〜”と、この場に合わない軽いノリで挨拶しながら、教室に入って来た。