不良狼の一途な溺愛
救世主の登場!?
「へぇ、そんなことがあったのね〜。」
「うん……。」
放課後になると、私は早速…紫堂君との経緯を沙織に説明。
桜の木の下で出会ってしまったことから、出された命令のことまで。
何もかも話した。
「私…高校に入っても穏やかな生活が送りたかったのに、まさか不良に目をつけられるとは思わなかったよ……。」
沈んだ気持ちで隣の席に目をやった。
もう紫堂君は席にいない。
正確に言えば、午前中までは一応…この席で授業に出ていたけれど、お昼休みの後から完全にいなくなっていた。
多分、あの屋上か桜の木の上でサボっているんだろう。
全く…せっかく朝から来たんだから、最後まで授業受けていきなさいよ…。