不良狼の一途な溺愛
ちょっと待って!
なんで、わざわざ!?
先生の提案に私は焦ってしまった。
「あの…私は紹介していただかなくても、何ら問題は無いんですが……」
「入学式の日に、全員に簡単な自己紹介をしてもらったからなぁ…。残るは御苅だけ……あっ、紫堂もまだだったか…。」
「えっ…?」
シドウ…?
その人も、私のように病気か何かで休んでる生徒なのかな…。
へぇ…。
同じ境遇の人もいたんだ…。
勝手に、その人に親近感を抱いていると、先生は私の肩に手をのせた。
「というわけで、御苅も簡単に自己紹介…よろしくな!」
「い、いえ…私は…」
「そんなに遠慮しなくても大丈夫だぞ?ほら、御苅!」
遠慮なんて一切してないのに…!
彩織に“が、頑張ってね…。”と苦笑いで応援された私。
先生に連れられて、半ば強引に教壇へと立った。