不良狼の一途な溺愛
後ろを向くと、そこに立っていたのは見知らぬ男子生徒。
明るい茶髪で耳にはピアス。
制服は、かなり着くずしている。
紫堂君ほどではないが、この人も顔立ちが整っていてカッコいい。
「あっ、ごめんね。思わず抱きしめちゃったけど、苦しかった?」
「は、はい…少し。いや、そうじゃなくて…あなたは?」
「そっか、柚ちゃんと会うの初めてだもんね!俺、陸都。蓮とは小さい頃からの付き合いなんだ。よろしくね!」
「よ、宜しくお願いします…。」
ニカッと人なつっこく笑う陸都くんに、ぎこちなく頭を下げた。
要するに紫堂君の不良仲間か…。
でも、同じ不良なのに紫堂君とは全然雰囲気が違う人なんだな…。