不良狼の一途な溺愛
あからさまな嫉妬
立ち入り禁止の棟までやって来た私たち。
陸都君も貼り紙なんて気にする様子もなく、堂々と中に入る。
そして、屋上へと続く階段を上り始めた。
「それにしても、俺…蓮に呼ばれる女子なんて初めて見たよ。」
「呼ばれるって言うより、呼び出されたんだけどね…。」
関心している陸都君に対して、私は重たいため息をつく。
かなりの温度差だ。
「柚ちゃん…すげぇよ。あの蓮を落とすんだから。」
「落とす…?あ、いや…落とすっていうより、私の頭に紫堂君のマンガ本が落ちてきて……」
陸都君、何か勘違いしてる…?
私は誤解を解くべく、あの時の不運な出来事を説明しようとしたけれど…
話を始めたところで、屋上の扉の前まで来てしまった。