不良狼の一途な溺愛
き、緊張する…。
めちゃくちゃ恥ずかしいよ…。
先生の一声で席へと着いたクラスの人たち。
視線が一斉に私へと注がれた。
「また紫堂は居ないのかぁ…。ったく、アイツの登校は本当に気まぐれだなぁ…。」
先生は教壇の目の前にある、一番前の席を見ながら、呆れた様子でため息を零した。
ん…?
今の先生の口振りだと、シドウって人…別に病気で休んでる…っていうわけじゃなさそう…。
朝が弱い系の人なのかな…?
いつも朝のホームルームに間に合わなくて、それで自己紹介も保留になってるんだろうか…。
あれこれと頭の中で想像を繰り広げていると、先生はポンポンと私の肩を叩いた。
「それじゃあ、御苅。簡単に挨拶してくれ!」
爽やかな笑顔を向けられた私。
こうなったら、さっさと済ませよう…。
そう決心して、俯き加減で言葉を発した。