不良狼の一途な溺愛
な、なんで私だけ特別なんだろうか…。
ポカンと口を開けて考えていると、紫堂君は私の背中に手を回してギュッと抱きしめた。
「きゃっ!何してるんですかっ!」
かなりビックリした私。
離して欲しくて体を捩るけれど、全く効果がない。
紫堂君は動じることなく、抱きしめたままだ。
「まだ他にも、納得いかねぇことがあるんだけど。」
えぇっ!!
まだあるの!?
ついつい心の中で叫んでしまった。
今度は何が納得いかないっていうのよ…。
「お前、なんでそんなに…よそよそしい喋り方すんの?」
「えっ、よそよそしいですか?」
「ああ。でも、陸都と話す時は普通だった。」
紫堂君は、気に入らない…と言った感じで舌打ちをした。