不良狼の一途な溺愛
「あ、あの…話していると、自然にそういう喋り方になるんです…。」
なんて、細かい指摘…。
逆に、私の方が舌打ちしてやりたいぐらいだ。
イラつきながら紫堂君を見上げると、視線が絡まった。
「それが理由なら、今から俺との会話は普通に喋れよ。よそよそしい言葉を使ったりしたら、承知しねぇからな?」
「うっ、うん…。」
私はコクンと頷いた。
これじゃあ、まるで…脅迫されてるみたいじゃないか…。
なんとも強引な紫堂君のやり方に、ピクピクと顔が引きつってしまった。
はぁ、一気に疲れた。
もう帰りたい…。
私は両手で紫堂君の胸元を少し押した。
「そろそろ離して欲しいんだけど…」
よし、意識して普通に喋ったから、文句ないわよね…!
これで解放してもらえる、と思ったけれど、紫堂君は離すどころか強く抱き締めてきた。