不良狼の一途な溺愛
「じゃあ、次で離してよ?」
一応、釘をさしておいてから、大きく深呼吸をした。
「蓮君。」
ハッキリと大きな声で呼んだ。
すると、蓮君はピクッと肩を上げて反応した後、背中に回していた手を解いて、私から少し離れた。
やっと解放された…!
また“もう一回”なんて言われるんじゃないか…と危惧していたけれど、良かったぁ…。
強張っていた体を解すべく、思いっきり背伸びをする。
さてと、帰るか…。
チラリと蓮君に視線を向けると、なんだか落ち着かない様子で、その辺を歩き回っていた。
な、何やってんの?
急に、おかしくなっちゃった…とか!?
不審に思いながら目で追っていると、蓮君はツカツカと私の目の前にやって来た。