不良狼の一途な溺愛
「ちょっと、蓮君!?」
ついさっき、離してもらったばかりなのに…また!?
「勝手に帰ろうとするんじゃねぇよ。」
「だ、だから…帰るって、ちゃんと言ったのに…。」
「『離してやる』とは言ったけど、『帰ってもいい』とは言ってねぇ。」
「えぇっ、何それ!!」
蓮君の勝手な言い草に不満でいっぱいだ。
「もう少し、ここに居ろ。柚に拒否権はねぇから。」
「うー…。」
ここまで脅されると、こちらも強く出れない。
ギュウウッと抱きしめられている中、泣く泣く帰るのを諦めることに。
結局、この日は蓮君の強引なペースに巻き込まれて、帰る時間がかなり遅くなってしまった。