不良狼の一途な溺愛

毎日のように来ている立入禁止の校舎。


だんだんと入ることに対して躊躇う気持ちが薄れてきてしまっている。


本当、慣れって怖い。


蓮君に手を握られたまま、屋上までやって来ると、そこには先客がいた。


「蓮!」


フェンスの傍にいた男子生徒は、こちらに近付いてくる。


見た目、制服もそれほど着くずしていない。


黒髪の短髪、切れ長の目にスッと通った鼻、そしてスラリと伸びた身長。


眼鏡をかけていて、知的なイケメンといった雰囲気だけど、ここに来ているということは……


やはり、この人も蓮君の不良仲間ってことよね…。


警戒していると、その人は私を見るなり興味深そうに見つめてきた。



< 97 / 364 >

この作品をシェア

pagetop