不良狼の一途な溺愛
「俺とは、あまり関わらせたくない…って顔してるな。なんだか、蓮の愛を感じる。」
「なっっ、何言ってんだよ!!」
急にしどろもどろになった蓮君。
私から2,3歩離れると、クシャクシャと頭を掻きながら、しゃがみ込んでしまった。
この反応は…何?
今の今まで怒りオーラ全開だったのが嘘のようだ。
不審に思いながら蓮君を見ていると、男の子からフッと笑う声が零れた。
「俺、蓮とは長い付き合いだけど…、こんなに照れるところを見るのは初めてだよ。御苅さんのこと、相当気に入ってるんだね。」
「…というより、目をつけられてるんです…私。」
ため息混じりに呟くと、男の子は可笑しそうに笑った。
「御苅さん、結構…面白い女の子なんだね。その鈍感っぷりも和む。」
「えっ…」
私のどこが、面白くて鈍感なわけ…?
そんなこと言われるの初めてなんだけど…。
ちょっと不服に感じてしまった。