これを運命とするならば
………椿の肌に触れる度に。
椿の甘い声を聞く度に、飢えて乾いていた部分が満たされていくのがわかった。
今まで何回も女を抱いたことはある。
でも、満たされるのは己の性欲だけでほんの一瞬だった。
それが、どうだ?
椿に触れているだけで満たされるのに、凶暴な欲は椿を欲しがってたまらなくて。
優しくしてやりたいのに、一瞬でも早くつながりたくて。
早くつながりたいのに、もっと椿を悦ばせたくて。
「椿、…つばき」
譫言のように何回も名前を呼ぶ。そのたびに応えるように呼ばれる自分の名前。
それを聞いて、涙が滲んだ。