これを運命とするならば





ぱたり、と私の頬に水滴が落ちた。
ふと見上げても、部屋は暗くて正臣さんの顔はよく見えない。


声をかける余裕なんて与えない、と言わんばかりに私を攻め立て深いキスをする。


正臣さんと一つになっている間、唇が離れることはなかった。息苦しさと快感で自然に流れる涙にも舌を這わす正臣さんに、私はまた涙を流す。



「………ン、まさ…さっ!だめ、もう―――」


「わ、たしもだ…椿、つば、…き………!」










指を絡め合い、唇を重ね合わせ。


ひとつになれた。
ひとつに、なった。





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