これを運命とするならば





「………営業部の上村ですが…」


人事部でそう告げると、奥からすぐに人が出てきた。就職試験のとき以来の対面になる人事部長さんだ。



「あぁ待ってた待ってた!こっち来てもらえるかい?」


焦った様子で私を応接室に招き入れると、単刀直入に話を始める。



「新しく役員が増えた、って聞いてるだろう?」


「…?はい」


「その役員…三柴専務が上村さんを自分付きの秘書にしたいって言ってるんだ」


その言葉に私の頭の中には?マークが飛び交った。





< 13 / 105 >

この作品をシェア

pagetop