これを運命とするならば
「………三柴、専務?」
えーと頭を整理しよう。
―――目の前の眼帯男は噂の新しい会社役員。で、この人が私を秘書にしたい、って?
「えーと」
「あぁ、自己紹介がまだか。…私は三柴正臣、お前を私の秘書にするよ。ちなみに拒否権はなしだ」
腕を組みながらじりじりと私に近づき、あっさりとそう告げるとまたクツリと笑う。
どうしようかと視線を泳がせていると三柴専務の背後の人事部長さんから縋るような視線が届く。
………拒否権はないのね?
諦めるように私は目を閉じ、数回頷いて見せた。