これを運命とするならば
「いや嫌々いやっ!たった今しっかり目覚めましたから!」
仕事中は眼帯を外しその代わり眼鏡をかけるらしい専務だったけど、今はその眼鏡をカチャリと外し私に顔を近づけてくる。
少し目を細める姿が妙に色気ムンムンでたまらなくなった私は涙目で後ずさろうとした。
しかし専務の腕が私の肩を捕らえていて逃げられそうもない。
………あ、終わった…
覚悟を決めてぎゅっと目をつぶる。
「……………ばぁか」
しばらくして聞こえたのは、溜息混じりのそんな一言だった。