これを運命とするならば
………え?
そっと目を開けると、もうすでに自分の席に戻っている無表情の三柴専務と目が合った。
「仕事をしろ」
「…はい」
あぁ恥ずかしい。
穴があったら入りたい。
…ただのいたずらになに反応してんのよ!
―――私が軽く頬をたたいて自分に喝を入れている姿を見て、三柴専務が静かに微笑んでいたことなんて私は知らない。
その金色の瞳に私の姿がどう映っているかなんて、わかるのはもっとあとの話だから。