これを運命とするならば
ガチャリ、と部屋のドアが開いたのはそれからほどなくしてだった。
「―――正臣、いるか?」
そう言ってノックもなしに入ってきたのは紛れもなく我が社の社長。
さすがにただの平社員でもその顔くらいは知っていたので、私は立ち上がり頭を下げた。
「あぁ、上村さんだったかな?かしこまらなくていいよ。うちの息子が我が儘を言って申し訳なかったね」
「…余計なことは言わないでいただけますか、父さん」
そのやりとりに私はふと考える。
…息子?…父さん?
………親子、ってことは。