これを運命とするならば





「………椿、どうした?」




しばらく呆然としているうちに社長は部屋から出て行ってしまったらしく、三柴専務が不思議そうな顔をしてこちらを見ている。



「専務って社長の息子さんなんですか…?」


「あぁ、言っていなかったか。そうだ」


専務はあっさりとそう言ってのけた。しかしそのあと、何か言い続けようとしたが一瞬躊躇する。



「……………義理の、だがな」


そう言って窓の外に顔を向ける三柴専務の様子はいつもと違って、私はこれ以上聞いてはいけない気がした。
柔らかい日差しと専務の姿が対照的だった。





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