これを運命とするならば
………人?
ふと進む先を見ると誰かの後頭部が見えた。
疲れて眠ってしまっているのか、私の足音に気づくことなく壁にもたれ掛かって動かない。
きっとサボっているんだろうな。ここは滅多に人が来ないからこっそりサボるにはうってつけだもんなぁ…
私はその人を起こさないようにそろりと階段を下りたつもりだったのに。
「―――誰だ?」
掠れた低音ボイスがそう告げる。
さっさと通過してしまえばよかったのに私はその声につい反応して振り返る。