これを運命とするならば
「やっぱり…!」
その言葉に驚いた私は慌てて振り向く。
そこにいたのは、息も絶え絶えの椿だった。
「ど、…うした」
「今日16時から会議ですよ!?まだ会議室に来てないって連絡があって…よかった、見つかって」
安心したようにへらりと笑うその表情に、無意識に心臓が反応する。
ころころと表情を変えるこいつの本心なんて私には分からない。
「あぁ、すまなかったな。…褒美はそのうち身体で支払おう、な?」
―――わからないなら、しばらくはこのままで。
そう思い普段通りにからかうと椿はまた顔を赤らめる。その姿がなんだか面白くて、私はつい目を細めた。