これを運命とするならば
4. Your first happy birthday
三柴専務―――三柴さんの秘書になって早一ヶ月が過ぎた。
『かしこまった呼び方にしたらこの場で襲ってやる』
ある日そう言われたため、二人きりのときは三柴さんと呼ぶ羽目になった。
何でいきなりそんなこと言ってきたのか全くわからなかったけど、そんなことで襲われたら私の心臓がもたないから渋々従う。
………あの日以来、どことなく三柴さんの雰囲気が変わった気がする。
相変わらず私を馬鹿にしたりからかったりするけど、気がつくと私を見て穏やかに笑っていたりして、その表情を見ているだけで私の心臓はうるさく反応するのだ。
だからといって追求もできないから私はされるがままにされていた。
そんな晩秋の頃だった。