これを運命とするならば
―――金色の瞳。
わざと隠すように左目のほうだけ伸ばした前髪の、その奥にそれが見えた。
警戒心を露わにして私をにらみつけるその視線に私はとどまったことを後悔した。
「この会社の人間か。今は勤務時間だろう、どこへ行く?」
そう言いながら階段の踊り場に立つ私のもとに近づくその人は見たこともないくらい整った容姿をしていて。
私はその姿に息を呑んだ。
「答えろ」
「………っ、休憩です!昼休みも仕事をしてたので」
「そうか。………それはそうと、見たな」