これを運命とするならば





金色の瞳は何も語らず、湯気の出ているコーヒーカップを見つめている。
まるで、そのすぐそばの箱なんて視界に入っていないかのようだ。



「………ん、すまないな」


一段と掠れた声でそう言うと姿勢を正す。
私は、少し緊張した面持ちでテーブルにお盆をおろした。



「甘いもの、平気ですか?」


「…?まぁ、嫌いではない」


その返事を聞いて安心した私は、ゆっくりと箱のふたを開けて三柴さんに見せる。


次の瞬間、少し眠たそうにしていた瞳が大きく見開かれるのを私は見逃さなかった。





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