これを運命とするならば





左目を指しながらそう聞いてくる姿は殺気立っている…気がする。
てか「見たな」って、見られたくないなら隠しておけばいいのに!



「…見ましたけど」


得体の知れないこの人から視線を自分の足下にずらしてそう答えると、クツリと笑う声が聞こえて。
顔を上げればその長い髪をかきあげて金色を隠すことなく晒す彼の姿があった。



「正直に言うといい。…気味が悪いか?」


口元には笑みを浮かべているけど目は全く笑ってない。
綺麗な顔をしているだけに恐怖感が増してきて、私はしどろもどろになった。





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