これを運命とするならば
5. shake
―――私の心はあっという間に掴まえられてしまったみたい。
私が作ったケーキをぺろりと平らげ、穏やかに目を細めている三柴さんの表情にたまらなく胸の奥がきゅっとなった。
ちなみに、ついさっきまで私の唇に重ねられていたそこにはクリームが残っている。
「あの、三柴さん?クリームついてます」
「ん?…本当だ」
そう言うと親指できゅっとふき取り、そのクリームごと私の唇に押しつけてきた。
「……………!!」
「うまかった。また作ってもらいたいな」
ぐっと力を込めて親指を口内に突っ込むと、私の舌に押しつけてくる。
クリームがなくなるとゆっくりと指を引き抜き、真っ赤になっている私の表情を伺うとクツリと笑った。