これを運命とするならば
―――バンッ!
その音にびっくりする私と、へらりと笑ったままの狭川さん。
苛々した様子で読んでいた本を机に叩きつけた三柴さんは、私の方なんて見ないままドアに向かっていく。
「………会議室には直接行く。それまで外出てくるから探すなよ」
午後からは15時30分から会議が一つ。いつぞやかのように忘れはしない、と暗にアピールしながら三柴さんは部屋をあとにした。
「…怒らせちゃったかな〜?」
悪びれもせずそう言う狭川さんは、私を見てまた笑う。
「間違いなく怒ってますよ、ね………って、急にどうしたんだろう」