これを運命とするならば
てっきり馬鹿にされるのかと思って身構えた私に反して、狭川は穏やかに笑っている。
「いや。…よっぽと好きなんだなぁ、椿ちゃんのこと」
「な………っ!?」
私の動揺なんてさておき、いいんじゃない?と狭川は言ってふいにまじめな表情になった。
「いや。―――大学のときからさ、妙に冷めた表情しかしてなかった三柴があの子の話になった途端そんな顔で怒鳴るんだもん。よかったな、いい子に会えて」
そう告げると、まだ若干熱の引かない私の肩を叩いて狭川は屋上から去っていった。
………心配、されていた?