これを運命とするならば
「シャワー浴びてくるからくつろいでいていいよ」と言い残し、三柴さんは浴室のあるほうに歩いていく。
自動的に一人で過ごすことになった私は緊張を紛らわすように部屋の中をきょろきょろと見渡した。
―――最低限の家具と家電。綺麗に片づいてはいるけど、あまり生活感のない室内は私のアパートとは正反対だ。
あ、でも三柴さんスウェットだったしな。予想は半分正解半分はずれ、か。
「…もう夕暮れかぁ」
窓の外を眺めながらぽつりと呟いて、あることに気づく。
ここにいろ、ってことは。
………お泊まり!?
そんな用意なんて何一つないことに慌てていると、浴室の扉が開く音がした。