これを運命とするならば





シャワーを浴びてさっぱりした表情の三柴さんは私の慌てぶりに首を傾げた。


私の言い分を聞くと、小さく笑って私の頬を撫でる。その指の温かさに私がドキッとしたのは内緒にしておこう。



「いったん帰ってもいいが、その代わり」


―――キスしていい?
そう耳元で囁いたかと思うと、私の返事を聞く前に私の唇を塞いだ。


触れるだけの、優しいキス。


チュッとリップ音をたてて唇が離れ、私の唇を丁寧に舐めあげると満足したような三柴さんの顔があった。



「気をつけて行ってこい。…待ってる」


その言葉に見送られ、私は三柴さんのマンションをあとにした。





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