これを運命とするならば
2. 正体不明の正体
「―――おーい上村。休憩取った割には疲れてないかぁ?」
あのあとやっとの思いでコンビニまで行きパンを買い、無理矢理食べて戻ってきたのだ。
そりゃ疲れるよ、精神的にね。
「まぁ…いろいろありまして」
眼帯で隠す位なんだから知られたくなかったものなんだろう。だから、私は先輩にあの人の話をできなかった。
「いや、マジで大丈夫か?…今日は朝から頑張ってもらったんだし、定時であがってかまわないぞ。部長には話つけといてやるから」
「あーじゃあ………お願いします」
たまの好意には甘えよう。